一年目のフリーランス(40代)が都内で事務所を借りるのに必要だったもの

現在フリーカメラマンを名乗っておりますが、世間的には無職に等しいTaichiです。
まずはご報告。
カイシャを辞めてから苦闘3ヶ月、ようやくスタジオの物件が決まりました!やった!

まずはアパート借りるのと似たようなもんだろうと、ひとまず誰にも相談せずにスタートしました。

なんの実績もない一年目のフリーカメラマンが家賃20万円超の事務所物件を借りるまでの3ヶ月の苦闘をまとめました!
はじめにお断りしておきますが、裏技とかはそういう類の情報はありませんので悪しからず。

ざっくり条件を決める

まずざっくりと広さ、地域、家賃、日照条件などを決めました。
優先度順に

70平米以上、二面以上の採光(日照時間の長さ)、天井スケルトン、23区内、最寄徒歩10分まで、大きな公園(新宿御苑、代々木公園、神宮外苑、水元公園)近く、24時間出入り可、で家賃25万までで写真スタジオ可。

という条件で探し始めました。あとでどうせ妥協することになるので、色々盛り込んでおいた方が良いと思います。

物件情報サイトはどこでもいい

次に物件情報サイトで片っ端からチェックして保存を繰り返します。サイトからまとめて内見の申し込みができるのでとても楽でした。便利だなあ。

問い合わせを飛ばすと、登録してあるメアドに各不動産会社さんから内容確認の連絡がじゃんじゃん来ます。

今回お世話になったのはコチラ
https://www.homes.co.jp/chintai/office/

他サイトと詳しく比較したわけでは無いのですが、どこも使い勝手はそう変わらないのと、不動産の情報自体はほぼ共通のようで、だいたい同じ物件が出てくるので、どこでもいいと思います。

自分のホームページは作っておこう。

最初に申し込んだ20件のうち、15件は見に行けました。見に行けなかった5件は業態でNGが出たり、すでに借りられた物件でした。

今回は特殊な用途だったため、不動産屋さんにも大家さんにもなかなか理解いただけず苦労しました。

・カメラマンの事務所兼スタジオとして写真館のような営業も行う。
・スタッフ常駐のうえ、空いている時間を第三者に時間貸しする。
という点を伝えました。
特に2点目の条件に不信を抱かれる事がありました。貸しスペースではおなじみの、鍵を勝手に開けて入ってもらう的な方式はかなりの確率で難色を示されました。

面白かったのは、ほぼ全てのオーナーからアダルトビデオを撮るんではないかという心配をされたことです。
僕がアダルトビデオ撮りそうに見えるのかもしれませんね!

業態が特殊なので、ここで嘘をつくと後々トラブルの元になりますし、丁寧に説明する必要があります。
自分がどのような活動をしているかがわかるホームページが一番役に立ちました。
ホームページは作っておいて正解でした。

見つからなくてくじけそうでも妥協してはダメ

実際に行ってみてピンときた物件はまずありませんでした。

あってもめちゃくちゃ高かったり、条件が欠けていたり、折り合えないケースがほとんどで正直途方にくれます。

物件を見まくったので、目も肥えはじめますし、現実もわかってきます。
自分は贅沢を言っていたのでは・・・と弱気になり、自分の言っている物件なんて絶対見つからない気がしてきました。
時間と資金が無限にあるわけでもないので、今までの中から妥協するか・・・?

アパートなら住めば都ということもありますが、事業用の物件は必要な条件を妥協すると事業に影響します。妥協はできません。

不動産屋さんには自分と同じ目線を持ってもらおう

内見の後、こちらの意図を汲んで、次の物件を提案してくれた不動産屋さんが2社ありました。(というか2社しかなかったのです)

そのうちの1社さんの提案がいい感じにツボをついたものが多かったので、その不動産屋さんに条件を多少緩めて構わないのでもっと探してくれとお願いして、そこからまた10件くらい見に行きました。

大事なのは不動産屋さんにとことん条件を伝えること。条件だけ並べると、それが一人歩きしはじめてピントがブレていくので、なぜその条件なのかをとことん説明して理解してもらい、自分と同じ目線を持ってもらうことが大事です。
(その過程で、実際のレンタル撮影スタジオの物件の家賃を何件か調べてもらって、自分のビジネスプランに間違いがないかなども確認できたので良かったです)

最終的に今回の物件は、サイトに出ていない、内装を事務所用に綺麗にする前の段階で押さえてもらうことができました。「ここなら絶対!」と言われていって見たら本当に良かったので即決めました。

担当者さんにとことん話して、最終的に僕と同じ目線を持ってもらえた結果だと思います。

申し込み審査の間。連帯保証人は事業計画書で説得

ここぞ!と思った物件があったらまずは申し込みをして、借りる意思を表明し、申込書を書きます。

申込書の書式はオーナー側のものでまちまちですが、必ず連帯保証人の欄があります。申し込み後必ず連帯保証人には連絡がいきますので、この段階までに連帯保証人は決めておいた方が良いでしょう。
連帯保証人はリタイアした父母でもOKというところもあるし、身内NGというところもあって、一概に言えないようです。

今回は有名企業に勤務している友人にお願いしました。
保証会社によっては連帯保証人の収入まで聞いてくるので、そこまでご理解頂ける方でないと厳しいです。40数年で培った個人の信用度が問われるわけで、ある意味一番緊張しました。

家賃5万円のアパートを借りるわけではないので、それなりのお願いの仕方が必要だと思い、とにかく安心してもらえる準備をしました。

・事業計画書を作成。事業について説明しました。
・運転資金を1年分準備。事業開始半年時点で継続/撤退について保証人が判断できる機会を設ける
ということで快く引き受けていただけました。
この事業計画はなかなか良い出来(自画自賛)でしたので、そのうち公開しようかな。

そもそも保証人の代わりをしてくれるのが保証会社のはずなのに保証人必要ってどうなのよ?と思わなくもなかったですが、快く引き受けていただけたので良かったです。

申込書を書くとそれを元に保証会社の審査が行われます。審査結果が出るまでの間は、内装をどこまでいじれるかなどオーナー側と本格的な相談をしていきました。

内装の費用。オーナーをビビらせてはいけない。

審査中に内装工事の相談をしていきます。
僕が見た物件は基本的に天井はボードかタイルが貼ってあって、床はOAフロアやクッションタイルなどでキレイになってる物件でした。事務所としての使い勝手は絶対にその方が良いので、当たり前なのですが、スタジオとしては厳しいので内装工事をしなければいけません。

立ち会ったオーナー側の代理人が「今週綺麗にしたばかりです!!」と言ってるところに被せ気味に「天井解体してOAフロアを撤去して床壁塗装しますが大丈夫でしょうか?」とお伺いをたてるわけです。
だいたいのオーナーさんはびっくりされるようで、不動産屋さんからその辺の説明はやんわりしたいので自分にさせてくれ。と言われました笑

一ヶ所、とにかくリッチと日照条件が良くて申し込みした物件がありましたが、話を進めるうちに天井解体+床の剥離+消防設備の移設。。。と内容がどんどん派手になっていった物件があって、最終的にオーナー側からNGが出ました。
消防設備はほぼ確実に建物側の指定の業者が入りますので、内装工事費も上がっていきます。結局初期費用が想定より100万円オーバーなかんじになったので、どのみち借りられませんでしたが。

今回決めた物件は、すでに天井はスケルトンで、床はフローリング。ちょっと特殊な作りで、基本的に何も手を加えなくてもスタジオとして使用できるレベルで本当に助かりました。

社会的信用の無さと保証料は計算に入れておこう。

個人事業主としての業績が全くない状態で収入の証明もできませんし、前職の源泉徴収も役に立ちません。私の社会的信用度はゼロです!

申し込んだ全てのケースで「家賃保証会社を入れます」と言われました。

社会的に信用がないのは火を見るより明らかなので、当初から保証料も計算に入れていました。
家賃保証会社を回避しようとすると物件が限られます。

大家さん、オーナー企業によって保証会社も様々で、これは借主側が選べるものではないです。
保証会社へ支払う保証料も家賃の50~100%と保証会社によって幅がありますし、審査内容もそれぞれ異なるため、A社で通ったからB社でも通るといった類いのものでもなさそうです。

法人だと一発オーケーというケースもあったので、いっそ法人成してしまうというのも手かと思います。

預金残高を確認したいので、残高を改竄できないようにATMの画面の写真を撮って送ってくれとか言われたこともありました笑。全てに誠意を持って対応して、あとはお祈りするしかありません。

何が審査されているのかはわからないですが、申し込んだもので審査に通らなかったことはなかったです。

連帯保証人さえなんとかなれば、最終的には審査は通りました。

ともあれ、今回は事業にご理解いただけて、色々便宜をはかってくれた不動産屋さんと、大家さんに恵まれたことが大きかったです。

初期費用は何ヶ月分?準備した資金の話。

ここまでくればあとは契約だけです。
今回契約時に必要だった初期費用を書いておきます。

物件によって条件は異なると思いますので、あくまで一例という事で。

敷金 3ヶ月
家賃 1ヶ月(管理費込)
礼金 1ヶ月
賃貸保証料 1ヶ月
月額水道料 5,000円(毎月定額)
鍵交換費 21,600円


合計 7ヶ月分+α

初月から収益が出るとは思っていないので、前項でも触れましたが、一年無収入でも家賃が滞らない資金を用意しました。
初期費用は半年分を想定していたので、今回用意した資金は想定家賃の18ヶ月分でした。

当初想定より初期費用がかさみましたが、想定していた家賃より安く済んだので今の所相殺できています。
内装費や設備費は準備資金から出しますので、内装費用がかさむと運転可能期間が短くなっていきますので、この後も色々考えてやりくりする必要がありますが、それはまた別の話としてご紹介していきます。

まとめ.一年目のフリーランス(40代)が都内で事務所を借りるのに必要だったもの

以上が、まったく後ろ盾のない一年目のフリーランスが都内に事務所物件を借りるためにやったことの全てです。
特にあったほうが良いものは以下の4つでした。

a.ホームページ
b.わがままをきいてくれる不動産屋さん
c.事業計画書
d.家賃18か月分

誰かのご参考になれば幸いです。
質問などあればお気軽に!!

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