底辺カメラマンの生存戦略。スタジオをはじめた理由。

Taichiです。GWからこっちなんだかブログも動画も手が動かなくて五月病状態でした。

この記事もだいぶ前に下書きに放り込んであってまとめきれず放置していたのですが、ようやく公開する気になったので仕上げました。

今回は私がなぜスタジオを始めたのか。という話をします。

そもそも私が会社を辞めたのはスタジオをやりたかったからではなくて、「写真で稼ぎたかったから」です。

そして、最終的には人から求められるカメラマンになりたい。というのが目標です。写真作家ではなくあくまでカメラマンとしてです。

フリーになります

しかし、しかしですよ。40超えたペーペーのフリーカメラマン。

バズった事ない、受賞歴ない、修行してない、コネない、実力もな・・・(自分で言うのはツラいので、「未知数」くらいにさせてください)

そんな未知数な私が、独立して「カメラマンでござい」と名刺を片手に営業回り、数々の写真賞に応募し、展示に挑戦したところで、時間と靴底と退職金をすり減らすばかりだったと思います。そして今頃こう言ってたでしょう。

「はー。カメラは趣味にしとくんだった。もう退職金もほとんど残ってないよ。オヨヨ」

おお、怖い。マジ泣きしそうです。

まあ、営業活動や賞レースへの参加や展示など活動自体は無駄にはならないと思いますが、生活をかけるのが無謀なのは予想できます。

当然以前ご紹介した派遣のサイトに登録して仕事を取りまくったりしないといけません。
最近はカメラマン派遣のサービスも増えてきたので、やりやすくはなってると思いますが、副業ならいざ知らず、生活できるレベルを維持するには仕事を選べないし、なんかこう絶対大変そうです。

きっと、アルバイトもしないといけないでしょう。

当初はラーメン屋でアルバイトしようと思ってましたが、どうせだったら写真に関係している仕事でお金が稼げるほうがいいなあと思って考えに考えました。そこで思いついたのがレンタルスタジオだったわけです。

レンタルスタジオは、カメラの仕事がない間も稼いでくれる装置としてとても優秀ですし、実はレンタル代で稼ぐ以上に、数多くのメリットがあるのです!!

このブログはお客様もたまに見てくれているので、あんまりぶっちゃけると自分の商売に差し支える部分もある(爆)のですが…。

今回はフリー1年目の私が生存戦略としてなぜスタジオをやることにしたのか、スタジオにはどんなメリットがあるのか?を包み隠さずご紹介します。
実はこの記事はスタジオ開始当初に書きかけていた記事だったのですが、1年経ってようやく内容に確信が持てたので記事にすることにしました。お楽しみいただけますかどうか。

<ここからは有料記事です>

 

 

 

嘘です。では早速いきましょう。

寝てても稼げます

これは文字通り。アルバイトする代わりにスタジオが稼いでくれます。

お客さんがあっての話ですので、当然スタジオがあるだけではダメですが、スタジオがよければちゃんと儲かります。(良いスタジオにするための話はスタジオの作り方の記事などをご参照ください)

むしろカメラなんかやらなくてもいいんじゃ…(爆)と言う意見もありますが、実際のところ無人化すれば毎日ブラブラと好きなことをしていられますよ。

ただ、私は楽をしたいのではなく、楽しく写真で世間に貢献して稼ぎたいのです。

そして、この収益はカメラマン生活にもっと大きなメリットをもたらします。

仕事を選べます

語弊を恐れず言うと、スタジオで稼げている事で、写真の仕事を選り好みする事ができるようになります。実際に断ったことはないんですが、「いつでも断れる」と思える事が結構重要で、それによって、自分の単価に自信を持てます(値切りに応じないですみます)し、逆にレンタルで稼いでいるので、自分の経験にプラスになるとか、綺麗なモデルさんが撮れるとか、楽しそうな仕事だけをギャラ度外視で積極的に受けると決められるわけです。

1年目で仕事を選べるなんて破格の身分です!

スタジオの売り上げは、自分の成長と売り上げに最も良い選択ができる余裕をもたらします。これは相当なアドバンテージです。

学び・成長できます

レンタルスタジオにはいろんなお客様が来られ、自分の知らないジャンルの現場もたくさんあります。それゆえ、通常一匹オオカミで仕事をしているだけでは絶対に見られない、他の現場を垣間見る事ができます。

特に私は修行経験がありませんので、フリーで仕事をしていたら絶対に経験できなかった様々な現場の回し方や仕切り方、機材の使い方などが見られ、本当に勉強になっています。

もちろん、他人の現場ですので、ズカズカと入っていく様な真似はしませんが、家具の移動を手伝ったり、トイレに行く際にチラ見できるだけで非常に参考になりますし、建て込みの時に質問したりすると皆さん快く答えてくれます。

門前の小僧ってやつですね。しかもいろんな宗派の門前に行けるわけで、スタジオマンの経験も積ませてもらってる感じですね。

40面下げて小僧ってのもどうかとは思いますけどね笑

そして、学んだことを、スタジオの空き時間にすぐに試せます。
撮影機材、ライティング機材、空間、モデル以外は全て揃ってる環境を自由にできるのです。カメラマンにとってこの環境がどれだけありがたいか、皆さんにはわかると思います。

成長のための環境が常に隣にあるのです。

初めまして、丸山と申します。新宿の事務所兼アトリエでカメラマンをやっています

私がどう思おうと世間の私単体への評価は今のところ「底辺カメラマン」です。
しかし!想像してみてください。

全く新しいカメラマンに仕事を依頼しなければいけないあなた。
値段と撮影クオリティがほぼ同じと思われるカメラマンの名刺が2枚手元にあります。

・カメラマンA 新宿に事務所兼アトリエを構えているフリーカメラマン

・カメラマンB 自宅住所と思しき住所の書かれたフリーカメラマン

どちらに仕事を頼みますか?

もちろんスタジオ構えてるだけで仕事が来るとは思ってませんが、威力は前職の社名(有名企業)に匹敵します(体感)

「新宿に事務所兼アトリエを構えている」と、どこかの社カメだったのかな?とか、スタジオマンだったのかな?など、人は勝手に良い方に誤解してくれます。

もちろん嘘はつきません、聞かれればちゃんと答えます。

でも他人の想像をわざわざ正す必要もないのです。

事務所兼アトリエは、一部上場企業の社名と肩書き以上に、徒手空拳のフリーランサーに自信と世間的信用を与えてくれます。

営業先が向こうからやってきます

「事務所兼アトリエ」非常に良い響きです。うちのスタジオは自分で言うのもなんですが、個人でやってるスタジオとしては、ちょっとイケてるスタジオなんじゃないかと思っています。

実はスタジオを構えているだけでお仕事をいただけるケースが割とありまして、実際にスタジオを利用され、スタジオを気に入ってくれたお客様が、次は撮る方もお願いします。とご依頼いただく事が結構あるのです。

その為にやることは一つです。

名刺交換の際に「撮る方もやってますので」と一言添えるだけでOKなのです!

私の名刺は片面にスタジオ名刺。片面がカメラマン名刺になっています。スタジオを利用していただいた方が「あのスタジオ良かったな」と思って名刺を見返すと裏面にカメラマンも一緒に載ってると言う仕掛け。

これだけでスタジオ利用者を営業先に変えてしまう事ができるのです。

しかも!
ブログ記事でも何度かお話ししてますが、うちのスタジオは商用利用が多いです。

誰でも名前を聞いたことのある出版社や制作会社、芸能事務所、有名雑誌の編プロ、広告代理店などかなり広範囲の、しかも「制作に直接関わってる方」がいらっしゃるわけです。

営業って責め攻めしい言葉ですよね。自分には絶対飛び込み営業とか無理だと思います。胃が痛くなります。
しかし、スタジオのおかげで、口座に取引実績を積ませていただきつつ(これも重要)、営業まわりができてしまうのです。すごい。

まとめます

フリー1年目の私はスタジオを持つことで、狙い通り

「生活の心配をすることなく、写真の技術や知識を磨くとともに、自分が成長できる仕事だけをしながら、社会的信用を高め、営業活動ができる」

ようになったわけです。

誤解されたくないのですが、写真や仕事ぶりで勝負するのがあるべき姿ですので、これだけで将来安泰というわけではありませんし、ゴールではありません。私はもっともっと上を目指しています。

ただ、フリー1年目の生存戦略として見たときに、これらのメリットを予め想定し、高い家賃以上の恩恵があると確信し、無闇に営業に回るのでも、大きな賞を狙うのでもなく、スタジオを持つことを選択した自分が本当にエライと思ってます。大正解だったと確信しています。

おかげで1年目は生き残れました。

実は、誤算もいくつかあって、スタジオの調子が良すぎて写真を撮る暇がないとか色々ありますが、2年目はもっと写真の仕事ができるように高いレベルを目指していくとともに、スタジオ自体もレベルアップしていき、2号店の準備もしっかりと進めていきたいです。

また、今後はスタジオという「場」を活用し、レンタルだけでなく、フリーカメラマン同士の情報交換や勉強会など、他のカメラマンさんと交流していけたらいいなと思っています。仲間のカメラマンとちょっと考えている事があるので、近いうちに何かお知らせできると思います。

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