退職前夜 虚栄の家計簿

Taichiです。
前回
続きです。
この3倍ぐらいあったのですが、だいぶ縮めました。でもまだ長いなあ。
それでは、私がカイシャを辞める前に何を考えていたのか。続きをどうぞ。

辞めた後のことを考えた

1秒でも早くやめたい自分と、会社に残った方がいい自分が堂々巡りを始めたので、自分の中で折衷案を採用する事にしました。

次にSC制度の対象になる年(つまり2018年)に辞めることを前提として、それまでに辞めても大丈夫な状態まで持って行こうと考えたのです。

転職を見据えてキャリアアップ!とか言いながらUE4(ゲーム開発エンジン)に手を出してみたりしましたが、動機が邪なので身につきません。
転職サイトなども色々見てみましたが、どうも馴染めません。Linkedinもよくわからん。

そもそも「今よりいい給料」とか「今より良いカイシャ」って思ってましたが、今より収入が増えなきゃいけないのでしょうか?

例えば、生活レベルを落として、なるべく仕事をしないで生きていくことができないか?

そう考え始めると、なんとなく何をしても生きていけそうな気がしてきたので、ひとまずこの方向で検討します。
後ろ向きですが非常に気にいりました。

貧乏のススメ

そこで、いきなりですが生活レベルを落とす実験を始めました。

①まず把握する

月ごとの支払い、年単位の支払いなど全てリストアップし、家計簿をつけ、固定費以外に何にいくら使ってるのかを徹底的に把握しました。

②固定費を整理する

コストがかかっているものをやめたり、やめられないものは安くできないか検討します。
半年くらいかけて本当にやめてみて、要不要を検証しました。
本当なら携帯もやめてみたかったんですが、誰に言っても理解してもらえないし説明もめんどくさいので持ってることにしました。

結果:結局いくら必要なのか。
実験の結果、本当に必要な収入は思いのほか少なく、家賃と水光熱費、毎日の食費と通信費。撮影関連の経費くらいで、
全部ひっくるめても月でならせば月に10万円いかないくらいでした。(嫁も子供もいないので参考にならないとは思いますが)

これなら仕事は何をしても生きていけるなと確信しました。

家計の分析からわかった自分の本当の姿

実験の中で、つけた家計簿の出費を一つづつ「なんでこれを買ったのか?」と事細かに分析していったのです。
そうしたら出費のほとんどが

・他人から「付き合い悪い」と思われないようにしたい
・自分がこういう人間です!と主張したい
・人に良い奴だと思ってもらいたい。
・(誰かと比べて)優位を示したい。
・できればモテたい(笑)

という動機からの出費でした。

例えば買い物。洋服を買うとき、
「これを買ったら○ちゃんから褒めてもらえるだろうか?」とか、「こんなブランド知ってるって誰かに気づいてもらえないかしら」とか。
買った後に「どうなれそうか」を考え、出費に見合うと思えばお金を払って服を買うわけです。その時の基準は「主に他人からどう見えるか。」という事が多くないでしょうか?これは洋服に限らないです。

私の家計簿は虚栄心の塊でした。

部屋に積み上がっていくCD、本、服、おもちゃ、機材。

しかもこれらはお金だけではなく、時間も奪っていきます。
何をしなくても、自分の生活の大部分を、見栄と付き合い、無駄な習慣に食い尽くされ、やりたい事ができていない!

収入が上がろうが下がろうがこれでは意味がないではないですか。

自分コストの最適化

そこに気付いてからは、とにかく無駄な出費、無駄な時間がなくなるようにしました。
また、持ち物も数が増えるとそれが管理コストを生むことに気づき、不要な持ち物を徹底的に手放して行きました。多分周りの人は気が狂ったかと勘違いしたと思います。突然いなくなりそう。って言われたりしました笑。

40年で染み付いた考え方をそぎ落とし、やりたいことをやれる自分でいるために、余計なコストを徹底的に削っていきました。

とにかくモノにあふれた家でしたので、CDはPerfume以外は処分。本も写真関連以外は全部売るか捨てました。服もどんどん捨てました。ありとあらゆる持ち物を処分してタバコも酒もやめました。(禁酒はよく失敗しましたが…)

そうやって自分に関するコストを下げていき、一番大事なものに対する感覚が研ぎ澄まされると、時間とお金に余裕ができ、身も心も軽くなります。
これが自分コストの最適化の効能でした。

そうすると次第に「新しいことを始めたい・やりたい事を極めたい」という気力が湧いてきます。できた余白で何をするのか。自分とようやく向き合えるようになりました。
モノは何もなくなりましたが、不足感はありません。
自分がコストをかけるべき対象はなんなのか。何によって社会から評価を得たいのか。

私の場合は写真でした。
これまで写真は趣味でしたが、好き。というだけではなく、これでもっと人に喜んでもらえるのではないかと思い始めました。

自分に余白があると新鮮な空気が入ってくる。

自分の生活に金銭的時間的余裕が生まれて、展示をしてみたり、もっと写真を勉強したいと思い、写真関連のワークショップなどに行きはじめるようになりました。

そんなワークショップ巡りの中、人生を左右する出会いがありました。
「コレガ運命ノ出会ニナルトハ、コノ時私達ニハ知ル由モアリマセンデシタ…」的な下りがよくありますが、

その時、自分の人生が本当の意味で動き始めたのがハッキリわかってドキドキしたのを憶えています…!

…というヒキで次回感動の最終回。
退職前夜<最終回>「カメラマンへの道」乞うご期待。

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